金融キャリアデザイン

金融キャリア転職、求人情報ならキャリアVファイナンシャル・サーチでは、キャリアサポート情報の中で金融キャリアデザインの重要性を訴えます。さあ、いま、あなたの旬の金融キャリアデザインを。

Ⅰ概観

いまや、金融系キャリアの転職価値は大きく変動の波にさらされている。まず、雇用面では極端な求人件数の衰退である。一方、金融系応募者サイドからは、組織の若年化に伴いジュニアキャリア及び30代半ばまでのプロフェッショナルキャリアの需要に限定される。日系・外資系ともに金融転職市場のパイが小さくなっている。金融の稼ぐ力が劣化したといわれる。このような環境下での金融キャリアデザインは、如何なるものであるのか。バブルの栄華を誇った頃の金融機関、金融プロフェッショナルのイメージを払拭しなければならない。変化が激しいだけに既に賞味期限が切れているのである。
金融ビジネスが本来、狩猟型、リスクテーキング、変化が激しいという要素を有している限り、キャリアの内容もそれに伴い、単に与えられたアサインメントをこなすだけでなく、ビジネスに対する嗅覚、俊敏さ、タフネス、リスクテーク、変化への即応、機敏な決断といった要素に秀でていなければならない。金融キャリアは局面ごとに変わっていかなければならない属性を有している。その意味では、その時の"旬"のキャリアが求められてくる。
しかしながら、金融人材はエネルギッシュである半面、ユーモアのセンスも業務遂行の上で求められている。

Ⅱキャリアデザインとは

キャリアとは、単にポジションとしての職務範疇だけに留まらず、企業組織や職場の人間集団との関係性、更に得意先や顧客に至るまでを含む自己の役割と責任を果たした付加価値を意味する。そして、自己のキャリアを語るとき、一皮も二皮も剥けた経験があるか、自分自身の物語(story)を描写できるか。実績や成果を証明できるか、といった今まで辿ってきた轍の跡が見えてくるかが大事になる。
キャリアデザインとは、第一に、自己のJob Assignmentや所属するCompanyの範囲ばかりでなく、トータル・ライフステージにおける自己実現過程として捉える。第二に、キャリア形成には、コアの専門職種(個人ファクター)を中心に、組織、職場、業種、資本(外部ファクター)、ライフステージの節目の段階で自己選択に何らかの影響を及ぼした友人、上司、家族(ヒューマンファクター)、更に今日、特にグローバル経済構造までの範囲が関係してくる。
そして、キャリアの自己実現過程を振り返ったとき、成功体験、失敗体験を鮮明に語れるか。意気込みと情熱をもって自己を燃焼し尽くした至高体験があるか。そこに人生の生き様の一断面が出てくる。

Ⅲキャリアの現在評価

  1. リーマン・ショックや今日の欧米ソブリンリスクを経て、企業のビジネスモデルが激変している今日、会社組織に属するビジネスパースンも環境変化に対応して自分のキャリアをup to dateすることで自己の生存が保たれる。今日、旬のキャリアでも直ぐに陳腐化してしまい、またたく間に転職市場での付加価値を失う。自分の旬の専門能力―コアキャリアは何か。それをただ羅列するのではなく、ダイナミックに顕著な実績,成果を挙げた実例を織り込んでキャリアを自己アピールが出来るように簡潔明瞭にレジュメを編集することだ。
  2. 自分のキャリアは果たしてどの程度市場性があるのか。転職市場での自分の売りは何か。実際売れるのか。その見極めが重要になる。即ち、同一のキャリアを持っている者同士が市場で競争相手になる。そこで、勝てる能力を有しているのか。応募者の中から自分のキャリアが勝って、第一段階のレジュメ・スクリーニングをパスできるか。企業と同様、個人も競争市場の中にある事実を明確に認識しなければならない。今日の金融求人案件が極端に少ない中で、一端、求人があった場合は、我こそはという応募者が殺到する。Job Specificationにピンポイントでフィットした応募者だけがパスすることになる。
  3. 金融業務で幅広いキャリアを持っている。何でも経験している。これは,一面、どれもほどほどで、何もできないことに通じる場合が多い。自分の金融プロフェッショナルとしてのコア・キャリアは何か。核になるものは何か。絞り込んで売れるキャリアが市場価値を決める。
  4. 自分のコアキャリアが、現在、市場性のあるキャリアか否か。金融求人案件の職種・ポジションかどうかという点も考慮する要がある。求人がなければアプライできない。金融職種の求人動向を把握することで、ベストの転職タイミングを見極める必要が出てくる。
  5. 金融ビジネスの属性である、狩猟型、リクステーキング、金融ビジネスへの嗅覚といったファクターを金融プロがどの程度持ち合わせているかが、金融ビジネスへの適性を図る尺度にもなる。
  6. 邦銀は商業銀行が優位でリスクテーキング志向に乏しい。日系で投資銀行業務といった本来的な意味で看板を掲げているのはリーマンの事業部門の一部を買収した野村証券位だ。在日外資系金融トップは、今日後退したとはいえ、投資銀行業務を中心に据えている。日系金融機関か外資系金融かを選択する場合、自分の金融キャリアのほかに、広くマーケットで狩猟民族的な行動を取れるか、変転極まりない金融ビジネスの中でリスクテークできるか、あるいはビジネスになるか否かの嗅覚・触覚といった属性を持っているか否か、クールに自己分析した方が良い。
  7. 旬の市場性のあるキャリアが付加価値を有する大勢の流れにあって、金融機関に自分を合わせるのではなく、あくまでも自分の価値観・意思を貫くという骨太の考え方もある。自分への納得性は満足される。しかし、これもリスクがある。両方のキャリアデザインともにベストな戦略はわからないのが本当のところではないか。

Ⅳキャリアを現在にフォーカス

  1. グローバル資本金融市場の瞬時も留まるところを知らない変動に伴い、外資系・日系金融機関のコア戦略も日々変革を迫られている。中核組織の強化拡大、非収益部門の縮小・撤退により、金融人材転職市場でもそれに即応した金融人材の需給が常に変化している。それに合わせて金融キャリアも戦略的に進化させていく要がある。いま、あなたは、旬の金融キャリア戦略を描けるか。生存のためのキャリア革新が求められている。
  2. ITシステムの進展により、今日、ITの金融インフラストラクチャーがグローバル金融市場の隅々まで張り巡らされている。それゆえ、一国の財政金融事情の変動が瞬く間に世界中の国々に影響を及ぼしている。全世界が一体となっている姿だ。
  3. キャリア・コンセプトも変わってきている。静態的な過去のキャリア集積から、現在のキャリア構成要素として、将来を見通す先見力、洞察力、動物的な嗅覚・勘みたいなものが付加される。一種の「目利き」が求められている。勿論、コアのキャリア(スキル)を持っていることが前提ではあるが…。
  4. 金融人材転職市場の変化は目まぐるしい。急速に変わっている。今日のキャリアは明日にも通用するのか。今まで身につけてきたキャリアの存在価値は。賞味期限は…。
    キャリアの年輪を刻んで行こう。単に年数ではなく、木の幹に年輪が刻まれるように、今まで節目のキャリアを作り上げてきたか。年輪とは、自分自身が成し遂げた成果、実績だ。キャリアの中身が問われている。いま、具体的に付加価値を生み出せる顕在化した専門能力が問われている。それが、金融プロフェッショナルキャリアだ。

Ⅴキャリアがガラパゴス化していないか

  1. 今日は、敢えて逆説的に言えば、過去に経験した職務の中身(achievements)よりも、現在のキャリア・ビジョンに関する意識・態度・行動が価値あるものか否かがポイントになる。キャリアを根っこで「生き方としての革命・革新」として捉えることができるか。所属する会社にだけ通用するクローズドキャリアになっていないか。今までのキャリアにしがみつき、それで売れると考えているのなら、既に死んでいるか、あるいは、早晩,死につつあるかのどちらかで、将来に希望はない。
    まず、自分を変える。見方を変える。今までと違う行動をする。…「意識して変える」ことから始めよう!
  2. 自己の専門分野で中身の濃いキャリアを作り上げて来たか。自己のキャリア・ストーリーは物語性をもっているか。ただ、年齢を重ねてキャリアを経験したのではなく、例えば、組織のコア戦略推進のメンバーとして始めから終わりまで一皮むけるような奥行きのある経験を何度かして、それが深い「年輪」を刻んでいるか。その実績は、資産を増やしたり手数料を稼いだだけに留まらない。新規事業部門を何度か生き返らせ、再生した実績があるか。あるいは、その一翼を担ったことがあるか。単に自己のスキルを行使するのではなく、旧い仕組みを破壊し新たな企業価値創造へ徹底して自己が参画し,貢献することが、自己のキャリアの価値を決める。その意味では年輪を重ねた骨太のキャリア革新者のイメージである。
  3. 価値観の方向性:イノベーションを志向する精神を堅持する。まだ誰も歩いていない道を突き進んで行く。敢えて自分を崖っぷちに立たせる。「正統的」とされる考えを打ち負かす。いま、先進的金融機関では、大胆かつハングリーで創造的な人材、大きなリスクを引き受ける人材に目を注いでいる。
    イノベーションを実行するのに欠かせない行動規範の秘訣を完全に習得した企業などまだ存在しない。ラディカルな起業家に焦点を合わせたイノベーションの制度を血肉化した企業などひとつもない。だが、少なくともそこに向かってスタートを切っている企業からは多くを学べるはずだ。未踏の地に一歩を踏み出す勇気がいま求められる。
  4. プロフェッショナルを志向する人達が、競争市場で優位に立つためには、一種の「キャリア革命家」としてのイメージが必要だ。そのためのキャリアデザインは、非現実的な目標に挑戦する。過去の慣習にとらわれないビジネスチャンスを探す。あくまでも理想を追い求めて行く気概などだ。
    並外れた目的を持たないことには、自分の最終目標実現のためにキャリア革新者として行動する勇気などもてはしない。常に現状に甘んぜず脱皮し続けなければならない。特に金融ビジネスは本来的に狩猟型、遊牧民型の属性を有しているがゆえに独自の嗅覚を利して獲物を捕りに行くハンターの特性が必要だ。
    しかし、今日、ビジネス・コンセプトのイノベーションによって、人々を最も不安に陥れているのは、自分の知的資産価値が失われてしまうことである。企業における個人の価値は、かなりの程度まで個人がもつ知識で決まってくる。ビジネス・コンセプトのイノベーションによって知識の価値まで変わってしまう。社内で重要だとされていた知識が陳腐化する。慣れ親しんでいるが機能しないビジネスモデルと、斬新ではあるが試されていないビジネス・コンセプトの狭間にいる個人は、不安を感じている。
    長年培ってきた技術と人間関係は、新しいビジネスモデルでも通用するのだろうか.どの程度まで過去を断ち切らなければならないのか。新しい世界に適応して行くためには、どれほどの努力が必要なのか。いずれも切実な不安であることは疑いもない。そして、こうした不安への答えは、そのときになってみないと、どうなるかわからない。過去の自分に見切りをつけ、新しい世界へ飛び出して行くには勇気が必要だ。企業にとって変化するのは必然だというありきたりの説明では、変革への勇気は生まれない。その勇気は、価値ある理想から生れてくる。金融ガラパゴス現象からの脱却が求められている。

Ⅵキャリアの賞味期限サイクル

  1. 金融機関はイノベーションにより成長発展衰退の事業ライフサイクルを描く。衰退を避けるために創造的破壊を繰り返す。この側面は邦銀よりも外資系金融機関が徹底している。静かに堕しているのではなく、積極的に打って出る。この周期に沿って興亡を繰り広げるのは金融機関だけではない。そのなかで働く人達のキャリアも影響を受け、また仕事も変わってくる。いまでは、社員の在籍期間中はこのサイクルが何度も繰り返される。
    キャリアの創造的破壊が求められる。市場性を持った旬のキャリアが付加価値を生む。ブレークスルーとなるアイディアを生み出すことがとても重要だ。変革など最も必要なさそうに思える丁度その瞬間に、次の成長曲線に飛び移り続けることが、どれほど強力に作用するか。丁度,転換点でリスクを回避してLoserになるか、あるいは、これを絶好の機会と捉えてWinnerになるか、その分かれ道を的確に認識し、変革へ向けて行動できるか否かにかかっている。金融キャリアイノベーションの実践こそが、winnerへの選択肢である。

  2. 大胆さがブレークスルーにつながる。ビジネスにライフサイクル・コンセプトを導入したい。ビジネスのグローバル化とテクノロジーの発展が進み,事態は変化した。高貴なる失敗をしよう。直ぐに始めよう。まず小規模にスタートしよう。
    イノベーションを生み出すのは個人だが、実はその個人がチームの中で活動している時に最も良い結果が得られる。数多くのイノベーションを生み出している企業では、社員がチームの目的を信じており、また改善の可能性がどこかにないかと目を光らせている。それが創造的破壊へのきっかけになる。外資系金融機関では単独のプレーヤーではなく、チームプレーヤーである資質が求められる。

Ⅶ自己の存在価値

  1. キャリアの方向性:大局的な流れをつかむ。時代の流れを創り出す小さな兆候をつかむ。
  2. キャリアの絞り込み:深く理解する。独自の洞察力を養う。関心のある領域を絞って深く理解する。
  3. キャリアの実体験:チャンスを受け入れるのは、感覚、センスだ。機会を感じ取るには実際体験することが重要。動いてみて違っていたら直ぐに修正すればいいんだ、といった軽身も時には必要。
    天の邪鬼になる。革命を創造するのは、天の邪鬼な人間。自分自身の殻に閉じこもっているため、想像力を十分に羽ばたかせることが出来ない個人が多い。長期的な安定的思考よりも慣習に染まらない思考、正統よりも異端がいい。いま描いている信条をよく検討して永遠のしかも普遍的な真実以外はすべてを焼き捨ててしまうくらいの覚悟が必要。
    考えてみれば人生はそのほとんどが錯覚なのかもしれない。その錯覚を受け入れないと、なにもできないのだ。自分自身を客観的に見つめ直し、自分の信ずる根拠と信ずる理由を深く内省することだ。
    理論や概念にとらわれている人は沢山いる。未来についての問題は、未来をあらかじめ知り得ないと言う事実ではない。問題は未来が現在の延長線上にないことだ。自己の「存在」を賭けて「時間軸」の中で自己の証を示そうではないか。