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グローバル人材 経済界と育成 東大など、同友会と連携組織 研修ノウハウを共有

企業と大学が新たな連携に動き出す。経済団体の一つ、経済同友会は東大や京大など有力な国立・私立と人材育成のネットワークを今夏にも立ち上げる。企業の研修や研究開発への参加など学生を対象にした人材育成プログラムを共同開発する。産学が相互のノウハウを共有し、世界で活躍できる人材を育てる。
 ネットワークにはまず経済同友会の他に三井住友銀行や大手自動車会社など10社程度が参加する。十数の大学の参加を見込んでおり、東大など有力な国立大学や私大が参加する方向で調整している。企業や大学の担当者らが定期的に会合し、人材育成プログラムを開発・実行することが連携の軸になる。
京大に寄付講座
 例えば、三井住友銀行や大阪ガスなどは4月から京都大学経営管理大幸院と組んで「アジアビジネス人材育成寄付講座」を始める。タイなどのアジアの現地企業にインターンとして学生を派遣したり、アジアの第一線で活躍する会社員らが学生と議論したりする。こうした取り組みをネットワークを通じて「点」から「面」に広げ、人材育成の質を高める。
 経済同友会が産学連携のネットワークをつくるのは、過去の人材育成への反省がある。新卒を採用し、企業内で育てる従来のやり方では、競争が激しくなる国際市場で勝ち残れる人材を育てるのは難しくなっている。経済同友会・教育問題委員会の北山禎介委員長(三井住友銀行会長)は「大学の人材育成に企業がもっと関わるべきだ。その土台にしたい」と話す。
 産学連携を考える際で参考にしたのが沖縄の大学だ。同友会は同県の恩納村で昨年9月に開校した沖縄科学技術大学院大学(OIST)を1月下旬に視察した。日本で世界撮高水準の博士を育てる目的で設立された大学で、年間100億円もの運営費を補助金で確保している。
 昨秋に18力国・地域から34入の学生が1期生として入学。その国籍は欧米、アジア諸国、中東など多岐にわたる。教授陣にはノーベル貧受貧者が顔を並べ、授業はすべて英語だ。学部を設けず、生物学者や物理学者、環境学者らが背中合わせで研究しながら幅広く学ぶことができる。「OISTの最先端の取り組みを参考に日本発の技術革新やビジネスにつなげる産学連携のあり方を考えていきたい」 (北山氏)

「企業は若い人材に投資を」 三井住友銀行会長に聞く
 経済同友会・教育問題委員会の北山禎介委員長(三井住友銀行会長)に産学連携のあるべき姿を聞いた。
--産学連携を見直すきっかけは何か。
 「経営者と話していると、企業活動がグローバルになるなかで、企業の求める人材と大学を卒業して入社してくる人材にギャップかおるという話題が増えてきた。まずは産学で話し合おうと、2011年7月に20社と東大、京大、早大、慶大など12大学で『産学協働人財育成円卓会議』を立ち上げた」
 「企業側は学生の育成・訓練がきちんとできていないという不満を抱えていた。大学から見れば企業の求める人材が具体的にわからないという声が多かった」
 --企業はどのような人材を求めているのか。
  日本が育てるべき人材は2つある。1つは『グローバル人材』。異文化を理解し、英語で自己表現ができ、世界を舞台にりーダーシップを発揮できる人材だ。もう1つはイノベーションを起こすことができる人材。博士課程を修了したような専門家や起業家だ」
  「世界はグローバル化が加速している。そういう環境変化に対応できる人材の育成で企業側はもっと貢献できるのではないか。社員が自分の仕事を学生に語ったり、世界の課題を一緒に議論したりする機会をもっと増やすべきだ」
 --今後の活動は。
  「円卓会議の提言を実行に移す。第1弾が産学ネットワークの設立だ。これまでの各企業や大学の『点』の取り組みを日本全体の『面』の動きにしていきたい」
  「日本は若者への投資が少なすぎる。経済協力開発機構(OECD)の調査でも明白だ。教育にはお金がかかる。だが長期的な投資という観点で、企業側は大学と一緒になって人材を育てていくべきだ」





2013/03/22